
留置所でフィリピン人達と一晩過ごした駐在員のM氏です。翌朝、同じ駐在員の部下である日本人が、会社の顧問弁護士を連れて警察署を訪問します。
彼は英語、タガログ語とも堪能です。フィリピンの警察から会社に連絡が入ったようです。M氏は同じ日本人が留置所に来てくれましたので、ホッとするのと同時に怒りも感じていました。
「舐めてるよ。ホント舐めてる。フィリピン人が俺のことを寄ってたかって殴ってきやがって、俺は暴行の被害者だ。この国はホントに舐めてる」
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彼はイライラしながら日本人の部下に愚痴をこぼします。「仰りたいことはわかります。しかし、KTVのフィリピーナに対する暴行は致命的です。外国人がフィリピーナに暴力をふるってただで帰れません」
どこの国であっても外国人は分が悪いのです。こういった傷害のケースはフィリピン人の証言が最優先されます。ましてや、M氏に暴行を加えたフィリピン人達は悪徳警官と通通の間柄です。
「Mさん、裁判は免れないと思います。犯行の状況と、心証等から言っても、賄賂も通じませんよ」これが弁護士の意見でした。
しかし、M氏がいなくては仕事が回りません。M氏は苦渋の選択でしたが、フィリピーナを叩いた罪を認めました。この事件は日本の本社にも連絡が入り、本社から役員が飛んできました。
本社からやってきた役員は、かつてのM氏の上司でした。
M氏の罪事態は微罪です。フィリピーナの顔が腫れている訳でもありませんので、フィリピーナと和解すれば大ごとにはなりません。
しかし、フィリピーナの怒りはそう簡単に収まりません。会社の顧問弁護士によりますと、「フィリピーナを殴った」という事に対する嫌がらせで、取り調べを先送りにされていました。
M氏は尋問もされずに何日も拘留されたままだったのです。見かねた上司は、M氏の面会に再び訪れました。フィリピンの警察署のいい加減さは説明するまでもありません。法の下に進むのではなく、フィリピン人の都合でいろんな事が進むのです。
警察署を訪れた上司は、何ら特別な手続きなどを一切することなく、M氏との面会を許可されました。面会室などで面会するのではなく、留置所にそのまま案内され、鉄格子越しにM氏と話しました。
人権に対する配慮などは、フィリピンにはほぼ存在しません。二人は鉄格子越しに、これからの対策をいろいろ検討しました。しかしM氏の怒りは収まらずに上司に愚痴をこぼします。
「ホントに冗談じゃないですよ。なんで俺がこんなとこに放り込まれなければいけないんですか。臭いし暑いし、虐められるし…。俺はあの女に大金を使ってるんです。
200万ペソはつぎ込んだと思います。下手すればもっとかも知れません。それなのにこの仕打ちっておかしいですよね…」
上司は200万ペソと言う数字に「?」を感じました。
続く
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