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第一話 住むところがない困窮邦人がフィリピーナの家に居候

フィリピンのスラム

フィリピンにはいろんな種類の人間が住んでいます。上位層としては大手企業の駐在員、日本で財を成し、フィリピンに支店を作って商売をする人、老後をフィリピンで悠々自適に暮らす人たちです。

中間層としては、フィリピンの現地企業で勤務す人、少ない年金で何とかやりくりしながら暮らす老人、日本の中小企業のフィリピン支店の社員として働く人、細々とフィリピンで商売する人などがいます。

下位層としては日本から逃げてきた人、フィリピーナを追いかけてきたものの、捨てられてしまい有り金が無くなった人、日本が嫌になり着の身着のままに日本に来た人、セットアップをしてギリギリの生活を送る人などです。

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お金持ちの日本人が貧困層のフィリピーナに世話になる

それぞれの層が微妙に混じることはあっても、それ程密な関係は築きません。生きている世界が違う人間同士が、同じ空間を楽しむことはできないからです。

ある日本人Sは、夜の世界で働くフィリピーナのアパートに宿泊させてもらっていました。日本人なのに家が無いのです。アジア屈指の、世界でもトップクラスの裕福な国から来た人間が、フィリピンでアパートの家賃さえも払えないのです。

フィリピーナは二人で2畳ほどの狭い部屋に住んでいました。2畳の部屋を見たことがありませんが、想像を絶する狭さでしょう。しかも、日本のマンションのように小奇麗では決してありません。

普通の日本人であれば思わずたじろいでしまうレベルの部屋です。そんな部屋にSは泊めてもらっていたのです。

部屋は吐き気がするほど暑く、慣れるまでに随分かかったそうです。寝る時は川の字になって寝ますが、2畳しかないので工夫して寝なければなりません。Sの顎の下には女性の頭がありました。

フィリピンのスラム

女性の隣にはもう一人の女性が寝ていました。ただでさえ暑い2畳の部屋に、3人でベッタリ引っ付いて川の字で寝るわけです。女性の汗がこちらへ垂れたり、自分の汗が女性に垂れたりします。

べたべたした者同士がなんとか寝ていました。Sは住む場所がないので、いろんなフィリピン人の部屋に寝泊まりさせてもらいました。しかし、これほど狭くて臭い部屋は初めてでした。

たった2畳の部屋に3人で寝るなどあり得ないと思っていましたが、フィリピーナ達は実に上手い寝方を知っています。「こうやって寝るのよ」と言いつつ、体を九の字にして折り重なって寝ます。

茶色いゴキブリが女性の腕をはい、威勢よく駆け抜けていくのが見えました。日本であれば「ギャァ~」とわめいてしまいますが、ここはフィリピンです。よくある日常なので、Sは微動だにせずに再び眠りにつきました。

Sは夢を見ました。それは子供の頃に繰り返し見たものでした。フィリピンに来てみたのは初めてでした。

「暗闇の中から風船が飛んでくるんだよ。それが少しずつ大きくなって親父とお袋、弟のところに迫って来るんだ。親父だけがいなくなって、お袋と俺と弟だけが残るんだ」

「それでどうなるの?」とフィリピーナはSに尋ねます。

「それでって…、それだけだよ。それで終わりなんだ」

「ふ~ん、終わりなんだ」とフィリピーナは続きを聞きたかったのに聞けなかったので、つまらなそうな顔をしながら笑っていました。

続く

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